港区周辺には様々なジャンルの人気飲食店が集まっており、多くのゲストが足を運んでいますが、中華料理の名店も軒を連ねているという事をご存知でしょうか。鉄鍋を振るって強い火力を操り、次々と魅力的な料理を運ぶ中華料理にも、お店ごとに色濃い個性が顔を覗かせます。今回は六本木・麻布エリアにある、おすすめの名店を4軒、ご紹介いたします。
目 次
1.カウンター席で花開く、魅惑のペアリングが彩る少量多皿の醍醐味
虎峰(東京都/六本木駅)
中国では、「虎」という言葉は才気ある人物に使われ、「峰」は頂の意味を表すという事で、“才気を養い最高峰を目指す”という思いを込めて「虎峰」は2016年にオープンしました。六本木の喧騒から逃れ、裏通りのひっそりとしたエリアを進んで行くと、重厚な扉がお出迎え。店内に入ると、オープンキッチンのカウンター席がコの字型に配され、どの席からも厨房がよく見えます。
料理は食材の旬を大切にし、確かな目利きで仕入れた素材を使用。シェフ・小倉知樹氏が作り出す少量多皿のおまかせコースは食べ飽きる事がありません。季節の味覚を余すところなく、心ゆくまで味わえます。
料理を引き立てるドリンクの品揃えにも定評があり、ソムリエが料理に合わせて組み立ててくれるペアリングの提案力は、ゲストから高い評価を集めています。アルコール以外にも、中国茶などで構成するノンアルコールペアリングも人気。料理との調和をぜひお楽しみください。
2.食材の声を大切にする、創意工夫あふれる四川料理
Ji-Cube(東京都/六本木駅)
閑静な住宅街にあるモダンテイストの一軒家、柔らかな白い佇まいでお店を構える「Ji-Cube」。西麻布のかつての笄(こうがい)エリアに立地するのですが、中国語で笄は「ジー」と発音し、建物が四角くキューブを連想させる造形だった事が、店名の由来。1階は調理風景を間近に見られるカウンター席、2階は個室となり、それぞれ入口が分かれています。また、ペット同伴可能のテラス席も完備。密かな人気を集めています。
シェフ・佐々友和氏が大切にしているのは、何と言っても四川料理伝統の香り豊かな美味しさです。多彩な香辛料を駆使した、辛味にとどまらない無数の味わい深さが、四季折々の豊潤な日本食材と出会う事によって、五感を刺激する佐々氏ならではの創意工夫あふれる料理へと昇華します。
顔合わせや重要な会食など、個室でゆっくりと時間を過ごしたい場合には、コース料理にフカヒレや鮑を組み込んでほしいという希望にも応えてくれるそう。ゲストに合わせた柔軟なおもてなしが、多くのリピーターを生み出しています。
3.ひたむきに研鑽を重ねてきた一皿に込める、さりげない上質
桃仙閣 東京(東京都/六本木駅)
島根県松江市で長年愛されてきた「桃仙閣」。創業者である父の実直な姿を胸に、店主・林亮治氏は「桃仙閣 東京」を開業しました。「柔らかいサービスに、積み重ねてきたさりげない上質な文化を感じてもらいたい。一人でも、会食でも、すぐに行けて居心地の良い嬉しいお店を東京に」と、林氏は語ります。
シンプルでモダンな店内は、木の温もりに包まれるようなホッとする設え。一人でもふらっと立ち寄りやすいカウンター席、プライベート空間を保てる個室と、用途に合わせた利用ができます。
北京ダックやフカヒレの姿煮込みなど、高級食材を使った珠玉のコースメニューをいただけるだけでなく、アラカルトで酢豚やマーボー豆腐、餃子など、馴染み深いメニューを気の向くままにオーダーする事ができるのも重宝します。人気メニューの中でも「天津飯」は来店時に必ず注文するゲストも多い、名物料理。甘酢餡ではなく関西風の醤油餡がかかっており、食べる手が止まらなくなる鉄板の美味しさです。
4.さらなる進化を遂げた、ネクスト・ヌーベル・シノワ
隼(東京都/六本木駅)
広東料理をベースとしたヌーベル・シノワで、幅広い層から人気を集めていたシェフ・吉田隼之氏。イノベーション・フュージョンの人気店「長谷川稔」グループとタッグを組み、店名を「Fff…TOSHI」から「隼」へ変え、2020年に新たなスタートを切った事は、大きなニュースとなりました。六本木駅至近のビル地階という、隠れ家感が漂う立地。店内はラグジュアリーな設えで、非日常感に満たされています。
ゲストの目線の先が、自然と吉田氏の手元になるように設計されたカウンター席は、目の前のキッチンから香りと食欲をそそる調理音が届き、エンターテインメントショーを見ているかのような楽しい気持ちになります。
人気メニューの中で真っ先に名前が挙がるのは「強火」と名付けられた野菜炒めで、野菜ごとに火入れのタイミングを変えるこだわりよう。「濃いめ」は繊維の太いフカヒレを、長時間煮詰めた濃厚なソースでいただく一皿。気持ちの良い歯応えと、密度の濃いうま味が口の中で広がる逸品です。
いかがでしたでしょうか。中華料理の奥深さは、底がしれません。食材に対するアプローチ、調味料との組み合わせと絶妙な火入れなど、料理人の数だけ千変万化の魅力が存在します。長い時の流れの中で、人々に愛され続けながら伝統を踏襲していくだけでなく、美味しさを追求する過程で多様な変化も遂げてきました。これからの発展にも、ますます期待が膨らみます。
※こちらの記事は2024年01月25日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。