食通なら一度は耳にしたことがある「アジアのベストレストラン50」。
「食のアカデミー賞」とも例えられ、ランキングの内容が食のトレンドに影響を与えるとも言われています。
今回は「アジアのベストレストラン50」について、3月29日に発表された2022年版のランキングと合わせてご紹介します。
目 次
1.「アジアのベストレストラン50」とは
イギリスのメディア会社「William Reed Business Media」が発行しているグルメ雑誌「レストラン」で2002年から始めたレストランランキング「世界のベストレストラン50」のアジア版として2013年に新設されました。
318人のシェフやメディア、フーディ―などの専門家が、過去18ヶ月以内で実際に訪れたレストランの中から、1名につき居住国のお店に最大6票、海外のお店に最大2票を投票し、ランキング形式で発表。個人的に利害関係のあるお店は対象外です。
レストランのランキングの他に「アジアの最優秀女性シェフ賞」「アイコン賞」「アジアのベスト・パティシエ賞」などの個別賞もあり、毎年話題を集めています。
2.2022年版「アジアのベストレストラン50」が発表!

世界的なウォーターブランド「S.Pellegrino & Acqua Panna」主催で、2022年3月29日に2022年版「アジアのベストレストラン50」の授賞式が行われました。
バンコク、マカオ、東京のアジア3都市で、シェフやレストラン関係者、業界VIP、メディア関係者を集めたイベントも同時開催。日本からは過去最多となる11軒のレストランが受賞を果たしました。
3.東京の日本料理「傳」が1位を獲得!受賞した日本のレストランとは
日本では2022年3月29日「パレスホテル東京」にてイベントを開催。日本でランクインをはたした11軒のうち、4軒が初受賞となりました。
なかでも1位は、東京にある懐石料理「傳」が獲得。日本のレストランとしては、10年ぶりに1位に輝きました。
2007年にオープンした「傳」は、オーナーシェフ・長谷川在佑氏の遊び心が溢れるレストラン。長谷川氏の個性的なアプローチを反映した懐石料理の数々は、独創的なプレゼンテーションと伝統料理の掛け合わせが、訪れる多くのゲストを喜ばせています。
2016年「アジアのベストレストラン50」に初のランクインを果たし、翌年は「世界のベストレストラン50」に初登場、2021年には11位にまでランクを上昇。今回は「アジアのベストレストラン50」1位に輝きました。
3位にランクインした「フロリレージュ」、6位の「ラシーム」、11位の「茶禅華」も昨年より順位をアップ。
なかでも13位の「Ode」は、昨年から最も順位を上げたお店に与えられる「Highest Climber Award」を受賞しました。
また、昨年香港「Belon」で25位を獲得したシェフ・ダニエル・カルヴァート氏は、「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」にある「Sézanne」に拠点を移し、今年は17位にランクイン。
その他「cenci」「Villa AiDA」「La Maison de la Nature Goh」「La Cime」は東京以外のレストランとしてランクイン。地方の有名店にも注目が集まりました。
4.レストランだけではない!いくつかの個人賞カテゴリーでも表彰
42位にランクインした東京・代々木上原にお店を構える「été」のオーナーシェフ・庄司夏子氏は「アジアの最優秀女性シェフ賞」も併せて受賞。
庄司夏子氏は2020年の「アジアのベストパティシエ賞」も受賞しており、パティシエとシェフの両方で賞を獲得したシェフは前例がありません。
14位にランクインした和歌山の「Villa AiDA」は、Aspire Lifestylesがスポンサーの「Highest New Entry Award」を受賞。オーナーシェフの小林寛司氏が紡ぐ、自家農園で採れた旬の食材を用いたイタリアンを求めて、全国各地から人々が訪れます。
「アジアのベストレストラン50」のコンテンツディレクターであるウィリアム・ドリュー氏は、「今年は、伝統、革新、味、おもてなし、遊び心を独自に融合させた『傳』が、アジアでNo.1に輝きました。私たちは、2022年のリストに掲載されたすべてのレストランと、創造性、忍耐力、技術で私たちを鼓舞してくれた各賞受賞者の皆様をご紹介できることを喜ばしく思います」と述べています。
2022年版「アジアのベストレストラン50」で大きく飛躍を遂げた日本のレストラン。
2023年版はどのようなレストランがランクインするのか、楽しみですね。
※こちらの記事は2022年08月16日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。