探求心の強い美食家にとって“旅”とは、その土地ならではの食体験として欠かせないものの1つ。
そこで今回は趣向を変え、旅してでも訪れたい肉料理の名店をご紹介します。その土地だからこそ味わえる新鮮な素材と、シェフの技が細部まで施された料理は、食事をするためだけに訪れる価値あり!そんな絶品の肉料理が食べられる5軒を厳選しました。
目 次
1.4世代続く和牛への追及と独創的な肉割烹スタイルが魅力
にくの匠 三芳(京都府/祇園四条駅)
祇園四条駅からおよそ5分。祇園の目抜き通り・花見小路から一本入ったところに店を構える「にくの匠 三芳」は、伊藤力シェフが営む肉料理の名店です。
曽祖父の時代から受け継がれてきた屋号「三芳」を掲げ、高品質な和牛を最も美味しい食べ方で味わえる肉割烹を提供。ヒノキのカウンターを使用した風情ある空間は、より快適な食事のひとときを演出します。
使用する牛肉は特定の産地には限定せず、その時の料理に合った肉質のもののみをチョイス。厚さや切り方、温度と、隅々まで気を配った調理法で生み出されるのは、今まで味わったことのないような肉料理の数々。お造り・椀・しゃぶしゃぶ・ステーキなど、伊藤氏ならではの技巧で変幻自在する料理を堪能してみてはいかがでしょうか。
2.昭和レトロな空間と名店主が魅力の“牛肉の聖地”
くいしんぼー山中(京都府/桂駅)
桂駅から徒歩で約15分。決してアクセスに恵まれたとは言えない地にありながら、多くの美食家を魅了し、愛され続けるステーキ店があります。
「くいしんぼー山中」は、オープンから40年以上にわたって山中康司シェフが厨房に立ち続け、今や“牛肉の聖地”と名高い名店。店内はオーセンティックな雰囲気に包まれています。
使用するのは、滋賀県の「マルキ福永喜三郎商店」から仕入れる、市場にはまず出回らないという純血但馬の近江牛のみ。ステーキは言わずもがな、人気の近江牛100%のハンバーグも、1度は味わいたい逸品です。ドーナッツ型のパテの真ん中に落とされた、とろ~り半熟卵は子供心をくすぐる演出。料理の合間に交わされる山中氏の談笑にも、思わず長居したくなる魅力があります。
3.審美眼から厳選した1頭を余すことなく使用した肉割烹
肉屋 雪月花 NAGOYA(愛知県/名古屋駅)
名古屋駅のほど近くにある「肉屋 雪月花 NAGOYA」。広々としたカウンター席を中心に上品な雰囲気漂う店内では、季節の色香を感じる肉割烹と料理に合わせてソムリエが選ぶワインやシャンパンを堪能できます。
祖父は牛飼いの馬喰、父は精肉店を営み、幼いころから自然と和牛の英才教育を受けてきた田中シェフ。その秀逸な審美眼から使用する牛肉は、シェフ自ら一頭買いで落札しているそう。
“本当に旨い牛とは何か”を問い続け、出会った但馬系長期飼育神戸牛、特産松阪牛を中心に全国各地から世界に誇る和牛のみを厳選しています。バラエティに富んだ割烹料理とワインとのマリアージュは、素晴らしい旅の思い出となるでしょう。
4.ジュージューと奏でる絶品秋田牛の演奏に心躍る
炭火焼肉 久(秋田県/秋田駅)
秋田駅から徒歩で約5分。広々とした空間で、気取らず和気あいあいとした雰囲気が心地よい「炭火焼肉 久」。肉愛が溢れる店主・小原久実氏によって2019年にオープンすると、たちまち人気店となりました。
使用するのは、小原氏の地元・秋田の名産である秋田牛。“人間の本能に訴えかけるような至福の焼肉を提供すること”をテーマに、素材のポテンシャルを最大限に引き出すよう心掛けているんだとか。
赤身と脂のバランスの良いものを厳選し、丁寧に処理を行った肉は一切れ食べれば思わず“美味しい”と言葉が漏れること間違いなし。「友久コース 」ではお値打ち価格で、各部位を食べ比べできるのも嬉しいポイントです。
5.三大和牛の本場で、清明な肉料理を味わい尽くす
肉料理ふくなが(滋賀県/守山駅)
守山駅から歩いておよそ12分。閑静な住宅街の中に佇む「肉料理ふくなが」は、全国の肉好きを陶酔させる名店です。秋田杉を使用した重厚感のあるカウンター席のほか、掘りごたつの個室が2つ。どちらも雅な雰囲気を醸しつつ、肩の凝らない親しみやすさがあります。
滋賀県生まれの店主・福永義規氏は、実家が近江和牛専門の畜産家ということもあり、その目利きはピカイチ。和牛を知り尽くすからこその技巧で、個体ごとの微妙な違いを感知し、最適な方法で調理をおこないます。
噛み締めるごとに広がっていく赤身の旨み密度と、澄み切った清明な後味。ジューシーでとろけるような味わいは、本場・滋賀県で1度はいただくべき銘品です。
その土地の選りすぐりの素材と、一流シェフの技をもって作られる料理を提供する店を厳選しました。テロワールを感じつつ、絶品の肉料理に舌鼓を打つ。そんな食体験を求め、旅に出てみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2024年05月15日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。