【名店グルメ】小倉「寿司つばさ」九州近海の魚介を、確かな技術と自由な発想の握りで魅せる

福岡県北九州市・小倉といえば、全国の寿司好きが集まることで有名。その中でも、名店「天寿し」の流れを組む「寿司もり田」で修業を積んだ黄丹翼氏が独立した「寿司つばさ」は、若手が握る期待のお店として注目を集めています。

小倉ならではの華やかな握りを継承する実力派

福岡県北九州市・小倉では「小倉前」と称される寿司がいただけることで名高い土地。全国の寿司好きの美食家が、季節を変えて訪れることで有名です。そんな小倉駅から程近い商店街の一角に暖簾を掲げるのが、「寿司つばさ」。店主の黄丹翼氏は、山口県下関出身。大学卒業後に調理師専門学校に入り、小倉の名店「寿司もり田」にて約8年修業を重ねられました。

2012年に「寿司つばさ」を小倉北区片野に開店し、2016年に現在の小倉北区魚町に移転。数奇屋大工の棟梁が手掛けたという内装は、障子や照明、さりげなく配された季節の花が生けられ、凛とした雰囲気ながら温かみのある空間となっています。

黄丹氏が大切にしているのは、小倉という土地が培ってきた「小倉前」ならではの仕事が光る握り。玄海灘や響灘、五島列島や瀬戸内海など、近海のものだけで鮮度の良い魚が手に入る恵まれた土地の中で独自に進化し、握り一貫にも創作の自由が利くところが特徴と語ります。師匠譲りの高い技術で、華やかに彩られた足し算のような握りを、日々探求されているとのこと。

九州近海で獲れた旬の魚介を中心にいただく、美味なる一貫

コースは、季節の旬を意識したつまみ5~6品から始まります。野菜を入れたつまみで季節感を取り入れ、握りに向かう前の序奏を演出します。

黄丹氏が集めたこだわりの器に盛られたつまみで、少しずつ握りに向かうウォーミングアップができそうですね。

握りは九州近海で獲れたものから旬の魚介を厳選し、ネタに合わせてシャリの温度や大きさに変化をつけます。柚子やカボスなどの酸味でアクセントを効かせ、素材の持ち味を最大限に引き出す細やかな仕事が感じられることでしょう。

小倉ならではの一貫がヤリイカ。波しぶきのような飾り包丁で、上に雲丹が乗ったその姿は華やかかつエレガント。

ネタに合わせる薬味は、山葵だけでなく柚子胡椒や一味、胡麻をふりかけたりすることも。また、春は山菜、夏はオクラやミョウガ、秋は松茸といった珍しい野菜の握りで、季節を感じられる工夫をされています。

魚の豊潤な旨みと程よく握られたシャリの一体感を楽しめる握りからは、魚に対する細やかな仕事ぶりが感じられることでしょう。

コースの一通りの流れを計算しながらつまみと握りを工夫されている「寿司つばさ」では、最後に生搾りのジュースが供されます。コースの余韻を残しつつ、お腹がいっぱいでもいただけるよう、夏はスイカ、秋は梨、冬はミカンなど、季節を感じられる果物を選んでいるそう。

修業先のスタイルを継承しながらも、それに囚われすぎない自由な発想を組み合わせた黄丹氏の握り。北九州でしか出回らない魚や野菜の寿司といった、東京では食べられないここだけの寿司を、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

寿司

寿司つばさ

北九州モノレール線 平和通駅 徒歩1分

20,000円〜29,999円

※こちらの記事は2022年09月14日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Airi Ishikawa

一休のメディア事業部長。日本全国を旅しながら、その道のプロにインタビューや取材をしています。国内ワイナリーを巡るのが好き。地産地消や、生産者に近い距離で食材や料理に向き合う「極みのシェフ」がいる店をご紹介します。
【MY CHOICE】
・最近行ったお店:割烹かわだ / 南青山 まさみつ / 寺子屋 すし匠
・好きなお店:ICARO miyamoto / フランス料理 エステール / レストラン・マッカリーナ
・注目しているお店:オーベルジュeaufeu / bekka izu / 無垢 / KOBAYASHI
・得意ジャンル:フレンチ / バー
・好きな食材:山菜 / 鴨

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