今さら聞けない会食・接待マナー! 席順のルールと箸使い、お見送り編

ビジネスやプライベートを問わず、大切なゲストをもてなす「会食・接待」。今回は、座る位置「席次」と美しいお箸の所作、お見送りのマナーについてまとめました。お困りの際に、ぜひ参考にしてみてください。

【1】個室では、座る位置「席次」にも気を使おう

個室を利用することの多い会食・接待では、ゲストの座る位置「席次」にも細心の注意を払いたいものです。特に、大切な商談や顔合わせなど、フォーマルな場での失敗は許されません。ここでは、和室と洋室各々の基本的な席次を説明します。

①和室の上座は「床の間」のある側

和室の場合、基本的には「床の間」のある側が上座となり、ゲストの代表となる正客を「床の間」を背にする席にご案内すれば安心です。後は、出入り口側に来るほど下座となります。なお、高級料亭の中には庭自慢のお店もありますから、その際には庭を見渡せる側が上座となります。不安がある場合は、躊躇せずお店へ問い合わせを。

②洋室の上座は「入り口から遠い席」のある側

洋室では、「入り口から遠い席」が上座となります。会食・接待でよく使われるお店であれば、壁に絵画や飾り棚が置かれている場合があります。
お店によっては、上座に当たる席でサービス係が椅子を引いて待ってくれていますから、迷わず正客に着席を促しましょう。その席が最上位の席となるからです。

【2】美しい所作で箸を扱う

ビジネス・プライベート問わず、大切なパートナーを見定める場でもある会食・接待の席。今回は、特に日本料理で注意したい振る舞いをまとめました。

①「忌み箸」に気を付けて

何を食べるか定まらない「迷い箸」や、骨あげを連想させる「移し箸」は言うまでもありませんが、宴たけなわになったほろ酔い気分では、つい「忌み箸」が出てくる場合もあります。
煮物の汁を滴らせて口に運ぶ「涙箸」、箸に付いたごはん粒を口でもぎ取ろうとする「もぎ箸」には気をつけましょう。

器の上に箸を渡すように置いてしまう「渡し箸」もついやってしまいがちですが、箸を置く時はかならず箸置きを使うようにしましよう。なお、吸い物をいただく際には、箸先をお椀の中に入れないようにすると綺麗に見えます。

②箸を扱う際は、美しい所作を心掛けて

箸置きから箸を取り上げる際にも、美しい所作があることをご存知ですか。片方の手だけでなく、両手で箸を持つことがポイントです。

箸先が向かって自分の右側にある場合、まずは右手で箸の中ほどを、少し右を持ちます。その際、上から箸をつまむようにして持つのがコツです。
続いて、左手で箸の下を支え、右手を右端まで滑らせます。
その後右手を一度離し、箸を下から持ち上げるようにして、正しく箸を持って左手を離します。この時、箸の右側から3分の1ほどのところに薬指を置くと綺麗に見えます

また、吸い物などが入ったお椀を持っている最中に、箸を取る場合にも美しい所作があります。ポイントは、最初にお椀を両手で持つことです。
まず、お椀を両手で取り上げてから左手に載せます。
次に右手を離して箸を取り、お椀の下に位置する左手の指で箸の中央を挟みます。
左手の指で箸を挟んだまま、右手を離し正しく箸を持っておしまいです。

さりげない所作ですが、少し工夫するだけで美しく見えるから不思議ですね。ランチタイムなどに練習してみてはいかがでしょうか。

【お見送りのマナー】

一度は引き止めることがポイント

ゲストが「そろそろ失礼を」と切り出したら、まずは「もう少しゆっくりなさっては」というように一度は引き止める気遣いを。名残惜しい気持ちを相手に伝えることが大切です。

お見送りは、お店任せにしないように

会食・接待での利用が多い高級店であれば、スタッフの方に一声かければお見送りまでの段取りもしっかり示してくれます。安心してお任せできる分、ここで気が抜けてしまうホストの方が多いのも事実。

和室であれば、ゲスト分の靴がそろっているか否か、冬であればコートの数に間違いがないかをお店スタッフの方に確認するようにしましょう。
また、お部屋を出る際は忘れ物のチェックを欠かさずに。ゲストよりも後に、お部屋・お店を出ることがポイントです。

今回は、席次とお箸の所作、お見送りのマナーについてまとめました。エグゼクティブ会食のお店選びに特化したプレミアム美食メディア「KIWAMINO」には、独自取材記事も豊富にあり、個室の写真も沢山掲載しています。下見の手間を省けるだけでなく「一休.comレストラン」参画のお店であれば、記事の末部から予約も可能です。ぜひ併せてご覧ください。

一休.comレストランがプロデュースするプレミアム美食メディア「KIWAMINO」とは?

会食・接待にピッタリなレストランを「KIWAMINO」で探す

会食・接待で安心して使える「KIWAMINO」おススメのレストランリスト

「レストラン紹介/個室取材」記事から探す

「食レポ」記事から探す

「インタビュー」記事から探す

「KIWAMINO」のマナーコラムをもっと読む

今さら聞けない和食のマナー:「会席料理では、献立の名称と順序さえ知っていれば怖くない!」

今さら聞けない会食・接待マナー! 失敗しないお店選びと手土産手配のコツ

参考文献

岩下宣子監修 『冠婚葬祭・暮らしのマナーブック』 日本文芸社 2009年
岩下宣子監修 『きちんと知っておきたい 大人の冠婚葬祭マナー新事典』 朝日新聞出版 2015年
田崎真也著 『接待の一流 おもてなしは技術です』光文社 2007年
日本マナー・プロトコール協会著 『最新版 「さすが!」といわせる大人のマナー講座』 PHP研究所 2018年

※こちらの記事は2020年01月31日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

謝 谷楓

「一休.comレストラン」のプレミアム・美食メディア「KIWAMINO」担当エディター。ユーザーの悩み解決につながる情報を届けられるよう、マーケットイン視点の企画・編集を心掛けています。

前職は、観光業界の専門新聞記者。トラベル×テック領域に関心を寄せ、ベンチャーやオンライン旅行会社の取材に注力していました。一休入社後は「一休コンシェルジュ」を経て、2019年4月から「KIWAMINO」の担当に。立ち上げを経て、編集・運営に従事しています。
【MY CHOICE】
・最近行ったお店:和田倉、SENSE
・好きなお店:六雁
・自分の会食で使うなら:茶禅華
・得意ジャンル:日本料理
・好きな食材:雲丹/赤貝

このライターの記事をもっと見る

この記事をシェアする