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「Restaurant L’AFFINAGE」実食レポ。美味しい“調和”が生み出す、至高のフレンチ

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日本屈指のグランメゾン「銀座レカン」で総料理長を務められていた高良康之さんが、2018年10月に「Restaurant L’AFFINAGE(レストラン ラフィナージュ)」を開店されました。大きな話題になったのは記憶に新しいところです。本日は独立を果たされた高良シェフが目指す、新たな美味しさをご紹介いたします。なお「Restaurant L’AFFINAGE(レストラン ラフィナージュ)」は、2019年に発表された「ミシュランガイド東京2020」で1つ星を獲得しました。

「Restaurant L’AFFINAGE」は、銀座5丁目の中心部であるあづま通り沿いという好立地。お店に入ると、グレーを基調とした淡色で落ち着きのある設えになっています。この日は、オープンキッチンを見渡せるカウンター席でお願いしました。

最初のアミューズは3品。豚肉のパテ・ド・カンパーニュは、小さいサイズながらもみっしりと密度の高い豚の旨味が伝わってきます。続いて、ミモレットチーズを練り込んだグジェールをいただくと、赤ワインがほしい気持ちにもなりますがここはシャンパーニュでつなぎます。人参のムースが乗った竹炭のマカロンは、スパイシーなクミンの風味と相まって食欲を刺激します。

ここで、人気ブーランジェリー「BEAVER BREAD」のパンと一緒に供されるのは、フランスから空輸しているお店の名物、大きな樽に入ったエシレの発酵バターです。「この樽は1週間くらいで使い切ります。パンにたっぷり付けて召し上がってください」とのこと。

何とも言えない豊かな風味で、バターのしつこさも感じないのでいくらでも食べられます。これ以上のシャンパーニュのお供はない!と思い知らされます。

2皿目のアミューズは、函館のムラサキウニとパプリカのムースに、オマール海老で取ったコンソメを泡状に仕立てたものを合わせて。

コンソメをゼリー状にしてしまうと、舌の上にコンソメだけが残ってしまいますが、泡状にすることで全ての食材が同じ食感になるように調整されています。食材それぞれの味わいの特徴を生かしつつ、見事に一皿の料理として練り上げています。

続いては、前菜の愛農ナチュラルポークのジャンボンペルシェ(ハムとパセリのゼリー寄せ)。ストレスフリーの環境で丁寧に育てられたその肉質は、甘く上品な脂の旨味が魅力です。メインディッシュの前に重くならないようにゼリー寄せにはケイパー、付け合わせにはマスタードを添え、酸味でバランスを取って次のお皿に向かえるように仕立てられています。

前菜の2皿目は、鮎のコンフィとリエット、胡瓜と蓼のソースです。鮎の香りを生かすため、上品な香りのオリーブオイルと香味野菜でじっくりとコンフィします。

ふっくらとした身に歯を入れると、香ばしさと温かさが口中に広がります。頭の部分まで身と同じようにふっくらしているのは、部位によってコンフィする時間を変えているから。食感や味付けに調和を持たせることを、高良さんがとても大事にしているのを改めて感じます。

リエットはフォアグラとコンソメで鮎の苦味を生かしたまま、コクとまろやかな香りが同居した味わいになっていて、あっという間に食べ終わってしまいました。

お魚料理は、ケシの実を纏ったイトヨリのポワレ、ヴェルモットソースです。イトヨリは水分が多いので、完全に焼き上げてしまわずに少し柔らかくふっくらとした仕立てに。皮目にのみパン粉をバターで纏わせ、香ばしさを巧みに引き出しています。

付け合わせは、焼いた長茄子の上にキャビア・ド・オーベルジーヌ。やはりイトヨリと同じ柔らかさに仕立ててあります。付け合わせの方が食感が硬ければ、ソースの比重をその硬さに合わせて重くしなくてはなりません。食感を調整すれば、主材料のイトヨリの美味しさをソースが引き出すことを邪魔しない、理想の付け合わせになるのです。

メインディッシュは、ニュージーランド産仔羊のロースト、レフォールのヴェルデュレットソース。キャレダニョーと言われる、仔羊の部位の中で最も上等な背肉の部分を、骨付きのままローストしています。これも鮎のコンフィと同様に、部位ごとに繊細に焼き分けられています。骨に近い部分は臭みが出やすいので焼き切って臭みを取り、肉の芯の方は時間をかけてゆっくりと火を入れます。脂もよく火を入れて焼き上げ、脂の中に溶け込んだ香りが、お肉全体に纏います。

最後に仔羊で取ったジュをお肉の表面に薄く掛けることで、グッと食欲を掻き立てる香ばしさに。食べ進めていくと、ソースによって倍加されたお肉自体の風味とコクにうっとりしてしまいます。
隠し味のフルムダンベールチーズは、味の主張ではなくコクを出すために少量使っているとのことで、繊細かつ立体的に味を重ねていけるその手腕には本当に驚きました。

デザートは、ココナッツのイルフロタント。本来はメレンゲですが、ココナッツのムースで仕立てており、優しい甘さのアングレーズソースともよく合います。添えられたコーヒーゼリーやパッションフルーツと一緒に食べると、苦味や酸味が味わいに変化を与えてくれるのも楽しい一皿です。

最後はオレンジのマカロン、蜂蜜のマドレーヌ、フランボワーズのパート・ド・フリュイ。どれも上品な淡い味わいで最後まで美味しくいただいたのですが、前菜の竹炭のマカロンを思い出してまた最初から食べたいと思ってしまいました。

オープンキッチンの「Restaurant L’AFFINAGE」では、高良さんのきめ細かなサービスの中で終始気持ちよく楽しんで食事をすることができました。より食材の持ち味を引き出し、一口一口食べ進めていく中での味わいの感じ方を大切にしたものでした。また、味を軽くするのではなくて、それぞれのお皿にとって最適な重さを追求している印象を受けました。

それはお料理の核と味わいの移ろいを、丁寧に掬い取ってほしいという贅沢な提案です。親しみの中にも、穏やかな驚きと滋味深さを噛み締められるフレンチ。そんな至高のひとときを、皆様もぜひ心ゆくまでご堪能ください。

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フランス料理

Restaurant L’AFFINAGE

東京メトロ銀座・丸の内・日比谷線 銀座駅 A5出口から徒歩約1分

20,000円〜

アクセス
住所 東京都中央区銀座5-9-16 GINZA-A-5 2F

橋本 恭一

美味しいお酒とお料理を求め続ける 都内屈指の胃袋&肝臓フル回転系ライター。 和洋中ジャンル問わず、王道の古典料理から イノベーティブ系のお料理にどんなお酒が合うかを ひたすらに追い求めており、食前食後などのバーの 楽しみ方も皆様にお伝えしてまいります。
【MY CHOICE】
・さいきん行ったお店:Buca del Tappo/サエキ飯店/赤坂 らいもん/鮨 みうら
・好きなお店:日本料理 晴山/ラ クレリエール/私厨房 勇
・自分の会食で使うなら:くろ﨑/リストランテ ペガソ/Panacee
・得意ジャンル:フレンチ/イタリアン/バー
・好きな食材:サルミソース/真鱈の白子/生トリ貝

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