日々様々なレストランを巡る食通が、本当に好きなお店とは?今回お話を伺ったのは、フードライターとして長年多岐にわたって活躍されている森脇慶子氏。そんな森脇氏から、東京を中心に2024年のベストレストランをジャンルごとに伺いました。どのお店も一度は行きたい、常連になりたい素敵なレストランばかり。早速チェックしていきましょう。
(記事掲載時点の情報となります。詳細は公式サイトなどで事前確認することをおすすめします)
ご紹介してくれるのは……
森脇慶子氏
学生時代からの食べ歩きが昂じて食の世界に携わり、早や40年余り。
フードライターという言葉もない頃からこの道一筋。美味しいものへの探求心は、変わりません。食は歴史、食は人をテーマに続けていければ、というのが目下の願い。「東京最高のレストラン」(ぴあ)のメンバーとしても20余年のキャリアです。
【フレンチのお気に入り店】
1.サンプリシテ(東京都/代官山駅)
魚介フレンチの名店として定評のある代官山「サンプリシテ」が2024年7月に移転。よりパワーアップしてリニューアルオープンしました。「魚を熟成させるきちんとした設備が欲しくて」と、移転を決意したというシェフ・相原薫氏の言葉通り、店内には熟成庫が2台あり、存在感を放っています。
その中で、マグロのブレザオラやサワラの生ハムといった魚のシャルキュトリを始め、金目鯛や鰤といった大型魚を熟成。おまかせのコースでは、これらの魚介類を様々な角度からアプローチした皿で、舌を楽しませてくれます。旨み豊かな「スープドポアソン」や遊び心溢れる「イカ墨のブーダンノワール」などここならではの味をぜひ。
2.apotheose(東京都/虎ノ門ヒルズ駅)
「虎ノ門ステーションタワー」の最上階。煌めく夜景も美しいガストロノミーレストラン「apotheose(アポテオーズ)」。シェフの北村啓太氏は、パリで15年間研鑽を積み、2017年からシェフを務めた「ERH」では、5年連続してミシュランの星に輝いた実力の持ち主です。
帰国してからは、積極的に生産者のもとを訪ねては食材の探求に努めた北村氏。「ここでは、これまで培ってきたフレンチの技法を用いつつ、優れた日本の食材の持ち味を最大限に表現していきたい」と熱く語ります。香り溢れる一皿ひとさらは、食材を過分に盛り込むことなく、味わいは繊細にしてエレガント。余韻豊かな風味も魅力です。
【中華料理のお気に入り店】
3.虎景軒/ジャヌ東京(東京都/六本木一丁目駅)
話題の美食スポット「麻布台ヒルズ」の中心に位置するホテル「ジャヌ東京」。その5階にあるチャイニーズの新鋭がここ「虎景軒」です。シェフ・山口祐介氏は、都内の中国料理店で総料理長を務めた後、中国は浙江省にある「星野リゾート 嘉助天台」の総料理長を務めた実力派。
その山口氏が、今、ここで提唱しているのが“モダンチャイニーズ”。「今、中国現地のレストランでは料理がどんどん進化しています」と山口氏。いわば各地方のいいとこ取りで、各々の伝統料理の根幹は継承しつつ、独自にアレンジ。上質な油や食材を用いた皿の数々は精妙にして軽やか。「ジャヌ東京」が取り組むウェルネスを意識した身体に優しい味わいも魅力です。ライブキッチンを設えた賑やかな空間では、コース料理や豊富なアラカルトメニューをナチュールワインとともに楽しめます。ヴィーガンメニューもバリエーションに富んでおり、2~10名までの個室の用意もあるため様々なシーンで利用可能です。
4.新栄記 東京店(東京都/赤坂駅)
北京を始め、中国各地にある系列店の多くがミシュランの星を持ち、中国全土にその名を轟かす名店「新栄記」。この注目の一軒が、20204年の2月、赤坂にオープンしました。浙江省は台州に端を発する同店だけに、スペシャリテは台州の郷土料理。「東シナ海に面し、新鮮な魚介が手に入る台州では“鮮味”を大切にした料理が持ち味です」と語るのはオーナーの張勇さん。
調味料でマスキングすることなく、素材本来の味を生かした料理の数々は洗練されたおいしさ。中でも「黄魚の煮込み」や「太刀魚の煎り焼」、「イソギンチャクと春雨の煮込み」は、ぜひ味わってみたいスペシャリテです。
【日本料理のお気に入り店】
5.すき焼き あさい(東京都/虎ノ門ヒルズ駅)
“すき焼き屋”といえばお座敷。そんなこれまでのイメージを払拭してくれるのが、ここ「あさい」。2024年の3月、虎ノ門にオープンしたカウンタースタイルのすき焼き店です。それゆえ、1人すき焼きもここならOK。
目の前で食材を手早く焼き上げる仲居さんの手捌きを見ながら、焼きたてを頂く醍醐味は格別です。それも、肉は一流料理人も一目置く滋賀の精肉店「サカエヤ」から仕入れる近江牛となれば、旨さは推して知るべし。サシが入りながらもしっかりと噛み応えがある一切れは、肉感もたっぷりです。加えてメレンゲ状に泡立てた卵も見事。ふわふわの卵白に絡めつつ、下に隠れている卵黄と共に味わえば、思わずもう一枚と手が伸びるはず!
公式HP:https://www.sukiyaki-asai.com/
いかがでしたでしょうか?数多の名店に通い、味覚の経験値が国内随一な美食家が選ぶ2024年のベストレストラン。どれも素敵なお店ばかりです。ぜひチェックしてみてくださいね!
※こちらの記事は2025年01月04日作成時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。