奈良歩きといえば世界遺産めぐり。京都より落ち着いた雰囲気でゆったりと回れそうですね。観光の合間に奈良でフランス料理、という発想はあまりないかもしれませんが、実は奈良は多くの人気店を擁する町なのです。その中でも今回は、洗練された料理を個性的なロケーションで味わえる店を厳選しました。
目 次
1.スペイン・バスクのモダン料理を奈良の食材で表現
アコルドゥ(奈良県/奈良駅)
東大寺の旧境内跡、白壁が見えてくると、その奥には350坪もの広大な敷地が広がり、ガラス張りのモダンな一軒家が現れます。店名の「アコルドゥ」とは、バスク語で「記憶」。スペイン・バスクの名店「ムガリッツ」で修業した川島宙氏が、その概念・世界観をこの名に込めながら、季節の物語をローカルな食材で紡いでいきます。
自由な発想で素材の要素を融合・再構築して繰り出される、独創的なスペイン料理の数々。メニューはカードになっており、一枚ずつめくりながら想像力を膨らませて、料理が運ばれてくるのを待ちます。海外の気鋭のレストランで磨いたテクニックを駆使した、個性あふれる料理はまさに絶品。地域の食材もふんだんに取り入れたコースの構成は、食を通じて奈良を知ってもらおうという川島氏の思いが詰まっています。
2.重厚な歴史が流れるメインダイニングで満喫する、非日常の時間
メインダイニングルーム 三笠/奈良ホテル(奈良県/奈良駅)
「奈良ホテル」の創業当時から本格派フランス料理を提供している「メインダイニングルーム 三笠」。明治42年に「関西の迎賓館」として、奈良公園の高台に創業しました。東京駅などを手がけた辰野金吾氏による和洋折衷の建築。メインダイニングルームに入ると、約6メートルもの高さの天井から下がるシャンデリアが圧巻です。横山大観や川合玉堂などの名画や趣ある調度品が飾られた空間には、重厚な歴史が流れます。
歴代の料理長から受け継いできた伝統のフランス料理を紡ぐのは、新谷充生氏。明治・大正期の優雅な気品漂う建築美と、窓越しからの古都の眺望を満喫しながら味わうフレンチは、格別の非日常時間を演出してくれます。
3.世界遺産に囲まれた森の古城で味わう、奈良発のフランス料理
仏蘭西料理 La Terrasse(奈良県/奈良駅)
山焼きで知られる奈良・若草山の麓、奈良公園の一角にあり、天井までガラス張りの開放感あふれる「仏蘭西料理 La Terrasse」。エントランスから続くテラスにあるひときわ目立つ推定樹齢250年の“モチの木”をシンボルにしています。緑に囲まれたテラス席でのランチは、まるで時間が止まったかのようなゆったりした気持ちに浸れます。
「ブルディガラ」など大阪で修業を積んだ高田和明シェフは、地元の食材をさまざまに研究し、奈良発のフランス料理を表現。素材の良さを最大限に活かすためバターをあまり使わず、日本人の口に合うような軽やかさを大切にしています。春日大社や東大寺などの世界遺産に囲まれた中、異国の古城に足を踏み入れたような不思議なシチュエーションで、大和食材を取り入れた奈良発のフランス料理を味わってみませんか。
4.スイスの名店出身シェフによる、奈良の食材を駆使したフレンチ・イノベーティブ
ラ・テラス イリゼ(奈良県/菖蒲池駅)
近鉄・菖蒲池駅北口より徒歩約1分。かつて、奈良の人々に遊園地として愛されていた、あやめ池の畔の美しい風景を一望できるロケーションに位置する「ラ・テラス イリゼ」。木の扉を開けると、照明器具やレリーフなどのヨーロッパ・モード系を基調とし、周囲の自然と調和させたシックなインテリアが印象的です。
スイスの名店「ジラルデ」で修業経験を持つ鷦鷯進氏が、奈良・明日香村や曽爾村から届く野菜や地元の特産物を大切に扱い、欧州の体験をベースにしながら、奈良テロワールのフランス料理に仕立てます。一面ガラスになった開放感あふれる空間で、あやめ池を眺めながらいただく個性的なフレンチは、記憶に残る余韻を残してくれるでしょう。
奈良には、世界遺産を大切に保存する古都の大和路にふさわしく、地元を発信していくシェフの意気込みを感じられる渾身の料理店が並びます。シックで洗練された空間、歴史的建造物、森や水辺の眺望など、ひと味違う空間のレストラン体験ができる奈良で、この地でしか食べられないフランス料理を楽しんでみませんか。
※こちらの記事は2024年11月25日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。