「邸宅レストラン」という響きだけでも想像が膨らみますね。広がる庭園の中に佇む館。アプローチに足を踏み入れると、そこはもう別世界。扉の向こうはどんな空間が待っているのでしょうか。ときめきながら食事に向かう、今回はそんな日常から解き放たれるような特別な東京の邸宅レストランをご紹介します。
目 次
1.歴史ある荘厳な洋館で、フランス料理を堪能
レストラン マダム・トキ(東京都/代官山駅)
代官山から旧山手通りを歩くと、緑に囲まれた閑静な佇まいの洋館「レストラン マダム・トキ」が現れます。重厚なマホガニーの扉を開けると、そこに待っているのは温かい笑顔のホスピタリティ。大理石を始め、希少な素材を使用した荘厳なインテリアの中、海外での経験豊富な5代目シェフ・高嶋寿氏による華やかなフランス料理が楽しめる至福の時を過ごせます。
たっぷりと盛られたバニラの芳香漂うカルピスバターは、この店のオリジナルでファンも多いのだそう。熟練のサービススタッフによるウィットに富んだ会話にも心弾み、約10種のスイーツのワゴンデセールが、夢の時間を締めくくります。
2.美しい貴族の館で楽しむモダンスパニッシュ
小笠原伯爵邸(東京都/若松河田駅)
閑静な街並みに囲まれた若松河田駅を出てすぐ姿を現すのは、昭和初期、当時の芸術の粋が集結したスパニッシュ様式の邸宅「小笠原伯爵邸」。美しい庭園内にある樹齢500年のオリーブの樹や季節の草木を望みながら、「ヌエバ・コシーナ(新しいスペイン料理)」をお楽しみください。
自慢の逸品は、イベリコ豚べジョータ!イベリコ豚の中でも最上位となる、稀少な豚です。一定期間どんぐりを食べることで体重を増やすため“歩くオリーブオイル”といわれるほど、オリーブオイルの主成分のオレイン酸をたっぷり含んでいます。ジューシーでやわらかく、ほんのりとナッツの香りが広がるイベリコ豚べジョータは、一度食べたら病みつきになること間違いなし。生ハムでの提供もあるので、切り立ての味を楽しんで。
3.美術品に囲まれてフレンチを満喫する贅沢な時間
シェ松尾・松濤レストラン(東京都/渋谷駅)
渋谷の喧噪を離れ、松濤の閑静な住宅地に店を構えて40年余の老舗「シェ松尾・松濤レストラン」。大正時代の洋館に足を踏み入れると、角落としの窓から緑深い庭園が見渡せます。メインダイニングに案内されると、目に留まるラリックやガレのアールデコのアート。至高のホスピタリティと上質なフレンチに触れる特別なひとときの始まりです。
フレンチの素材にさりげなく潜ませた和の食材が物語る、技術の確かさ。創業以来のスペシャリテ「特選和牛フィレ肉のロッシーニ」を味わえる贅沢なコースも宴を演出します。「いつまでもこの世界観に包まれていたい」と思わせる別世界。忘れられない余韻が続くことでしょう。
4.バラに囲まれた洋館でいただく優雅なフレンチ
La Maison Kioi(東京都/永田町駅)
永田町駅直結、赤坂の閑静な一角に佇む、昭和初期に建てられたチューダー様式の洋館「La Maison Kioi」。「赤坂プリンスホテル」旧館として長い間、愛されてきた東京都指定の有形文化財です。庭園のバラに囲まれたアフタヌーンティーは、まるで白昼夢。
館内には優美な装飾が施され、ベージュと濃褐色の木材とのコントラストも美しい荘厳なインテリアが、クラシカルな雰囲気を醸します。テーブルに届けられる料理は、旬の厳選食材と日本の四季を楽しむフレンチ。シェフが実際に見て、触れて、「お客様に心からおすすめしたい」と感じた食材だけを使用し、旬の味わいを届けます。
※バラの満開時期は終了しております。
5.アールデコを愛でながら堪能するフレンチ
メゾン・ド・ミュゼ(東京都/表参道駅)
80余年続くチューダー様式の洋館「メゾン・ド・ミュゼ」。一世を風靡した名店「ロアラブッシュ」が閉店したのちに新しく生まれ変わり、アールデコの父と呼ばれたエルテコレクションをたずさえた美術館に。作品を愛でながらフランス料理を満喫できる、贅沢な時間が過ごせます。ダイニングルームの開け放した扉から庭園を眺めて、半オープンエアで食事できる席もあり、心和みます。
まるで異国を訪れたような異次元の世界観に、気分は高揚するばかり。シェフの料理哲学が詰まったコースは、日本の素材をふんだんに使った滋味あふれる一皿ひと皿。季節の素材が持つ力と伝統が培う「ソース」に魅了されます。時を遡ってたどり着いたようなレトロな空間で、芸術家の人生に思いを馳せてみては。
東京には、歴史的邸宅もまだ残っており、多くの建物がレストランに改装されています。どのレストランも、昔ながらの重厚なインテリアはそのままに、時を感じさせる佇まいを保っています。飾られた美術品を眺めながらの優雅な食事は、何にも代え難い貴重な時間になることでしょう。記念日にはもちろん、たまには自分へのご褒美として非日常空間へ出かけてみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2023年08月22日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。