四季折々の風情を感じる京都・祇園に、日本茶と料理でゲストを魅せるレストランがあります。「MAVO∞」は、オーナーシェフの西村勉氏が独自のティーペアリングを開発し、お茶の発祥の地、建仁寺のお膝元にて新たな歩みを築いています。
鉄板を設えたカウンター8席のシェフズ・テーブル

2021年、建仁寺境内のほど近くにある祇園八坂通にお店を移転した完全予約制フレンチレストラン「MAVO∞」。鉄板焼とフレンチを主とし、伝統ある日本茶を現代の食文化に融合させた唯一無二の食体験を提供しています。
グレーの配色がスタイリッシュな店内は、全8席のカウンターが目印。ドイツ製高機能換気システム“ヴィンボック”を客席の頭上と天井一面に設えています。コロナ禍を経て、レストランとして安心・安全な空間で食事を提供する必要性を感じ、店内のエアロゾルを瞬時に換気できるシステムを導入したそうです。
フレンチのシェフと「日本茶」との出逢い
徳島県生まれの西村シェフは、大阪あべの辻調理師専門学校を卒業後、有名ホテルでスーシェフや料理長の経験を経て、2007年小田原に「la MATIÈRE」を開店。
2011年の東日本大震災以後、自店の運営と素材の流通や入荷状況を照らし合わせた結果、奥様の生まれ故郷である京都に移転し、西日本に拠点を置くことにしたそうです。
小田原のお店の時代からノンアルコールドリンクを提供し、ベースの素材を模索していた西村シェフ。京都・宇治白川「製茶 辻喜」のてん茶と出逢い、これまで体感したことのない衝撃を受けたそう。日本茶の特徴である旨味は、どのような食材や素材とも調和する可能性を秘めていると感じ、ティーペアリングの開発に繋がりました。
料理ジャンルにも限りを設けない意思を込めて「インフィニティ―」をテーマに掲げている西村シェフ。特に、生産者によって大切に育てられた食材を大事に取り扱うことに重きを置いています。30年間料理に携わる中で培われた味覚により、慈悲深さを感じるような料理が特徴。
料理に合わせる日本茶のティーペアリングは、飲める人も飲めない人も同じ様に楽しめる味わいをコンセプトにしています。 緊急事態宣言中にアルコールの提供ができなかったときも、「ティーペアリング」のオーダーが多く、アルコール無しでも食事を楽しめることをゲストにも知ってもらえたそう。
美味しいだけでなく、健康を考えるティーペアリングへ
日本茶に注目している理由は、料理の味わいをより高めるだけでなく、免疫力を高めウイルス抑制効果の成分を含有していることもあるのだとか。現在は国内外にティーペアリングを普及するために、YouTubeの動画でノウハウを公開し、ティーペアリングの協会も立ち上げてプロデュースも開始されています。
料理とペアリングする 新しいスタイルの日本茶を広めることで、美味しいだけでなく、健康になれるような食事の楽しみ方を普及したいと考える西村シェフ。秘められた可能性を持つティーペアリングが、世界を牽引する日も近いかもしれません。お酒を超えた満足度を得られるマリアージュを、「MAVO∞」で体感してみてはいかがでしょうか。
▼「MAVO∞」西村勉シェフ×「辻喜」辻喜代治氏の対談記事はこちら
https://www.kiwamino.com/articles/interviews/13321
※こちらの記事は2022年08月02日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。