「京の持ち味、浪速の喰い味」。グルメな方であれば、一度は耳にしたことのある格言ではないでしょうか。天下の台所と謳われる商人のまち大阪で、訪れる客人をもてなす際に用いた割烹をルーツとする浪速(大阪)料理。「喰い味」は、素材の本来の美味しさを活かしつつも、客人の好みを推し量りながら奥行きある味わいを追求したことで生まれたとも言われています。
今回「KIWAMINO」では、そんな浪速料理を軸に、独自の世界観を編み出した「浪速割烹 喜川」一門に徹底フォーカス! 1977年、法善寺横丁にお店を構えた上野修三氏が、大阪の素材、人間、町に並々ならぬ愛情を抱き、深化させてきた「浪速割烹 喜川」の料理とおもてなしの薫陶を受けた名店をご紹介します。
目 次
厳選素材と真昆布の出汁が織りなす「喰い味」の極み
浪速割烹 喜川(大阪・日本橋)
上野修三氏の長男、修氏が店主を務める「浪速割烹 喜川」。2代目として、1994年にお店を継承しました。お店が佇む法善寺横丁は、西日本を代表する繁華街ミナミにありながら、歴史情緒溢れる町並みは地元のみならず観光客からも親しまれるスポットの一つ。
そんな風情漂う町を代表する名店「浪速割烹 喜川」では、迫力満点なフルオープンのカウンター席をご用意。料理人の活気を間近に体感できるため、お料理はもちろん、おもてなしについても大阪料理の神髄に触れることができます。
店主・上野修氏は、先代だけでなく、「志摩観光ホテル」の元総料理長・高橋忠之氏のもとでも研鑽を積んだ実力派。先代と同じく、多くの料理人を育ててきました。厳選された素材と真昆布の出汁を用いて、伝統と独自の工夫で仕上げる大阪料理は絶品です。
シーンを問わず愛される心斎橋の名割烹
作一 本店/弘 作一(大阪・心斎橋)
「作一 本店」は、心斎橋の「ホテル日航大阪」のそばに位置する浪速割烹の名店。カウンター席のほか、2人から最大8人まで使用可能な個室も完備するこちらのお店は、使い勝手が良くシーンを問わず大切な方やご家族との会食で重宝されています。
4階のカウンターにて、厳選食材を用いたお料理を提供するのは、店主の奥長弘一氏。「浪速割烹 喜川」で培った経験を活かして、全国各地から取り寄せた旬の食材を珠玉の一皿へと仕立てていきます。
お店の建物1階に位置する「弘 作一」については、6月12日にリニューアルしたばかり。新しくなった店内は木の温もりにみち、ゆったりと寛げるカウンター席のほか、4つの個室も完備。いずれのお席でも、安心してお食事を楽しむことができます。
美味しい料理とお酒で、大阪の割烹文化の醍醐味に触れる
靱本町がく(大阪・本町)
オープンから半年でミシュラン一つ星を獲得した「靱本町がく」。店主・今川岳氏のもとで日々進化を遂げてきました。大阪・本町駅に近接し、店内は無垢の木を用いた温もり感じる設えが特徴です。
「靱本町がく」では、40種類を超える豊富なアラカルト料理をご用意。客人の好みを推し量り、その場で調理する大阪の割烹文化の醍醐味を間近に体感することができます。トリ貝や蟹、鱈白子など、旬の食材を用いたお料理に、お気に入りの日本酒を合わせる自分だけの楽しみ方が可能。もちろん、コース料理も用意しているため、会食でのご利用にもオススメです。
浪速の味をプライベートでじっくり愉しめる隠れ家割烹
浪速割烹 昇(大阪・大阪駅 梅田)
「グランフロント大阪」のほど近くに位置する「浪速割烹 昇」。一軒家を改装した隠れ家感のあるお店では、利用シーンを問わず、リラックスしてお食事を楽しめると評判です。プライベートなお食事を上質な空間でじっくり愉しみたいという時にもピッタリです。
お店を率いるのは、店主の落合昇氏。技を磨いた「浪速割烹 喜川」では二番手も務めました。店主の昇氏が提案するのは、「始末の心を守る」浪速割烹ならではのコース料理。一つの素材を多様な調理法で仕上げることで、一匹の魚であってもその身から骨、肝まで味わい尽くせます。食材に深い味わいを持たせるよう、出汁の仕込みにもしっかり時間をかけています。
120種類を超えるアラカルト料理で、浪速割烹の神髄を体感
浪速割烹 和亨(大阪・日本橋)
「浪速割烹 喜川」の先代・上野修三氏最後の弟子として知られる、「浪速割烹 和亨」の店主・杉本亨氏。旬の食材を用いたアラカルト料理は120種類と豊富で、浪速割烹の精神を今に引き継いでいます。食材の種類も豊富で、和の高級食材からフランス産のフォアグラまで、客人の好みに応じた一皿を創作し続けています。
店内には店主・杉本氏との掛け合いも楽しい10席のカウンター席のほか、2人からでも利用可能な個室を完備。個室は全部で5つあり、利用人数やシーンによって使い分けることができます。
伝統と革新が融合する逸品を、上質な和の空間でいただく
西心斎橋 ゆうの(大阪・心斎橋)
骨董品の並ぶ和モダンな設えが自慢の「西心斎橋 ゆうの」。大阪含め、全国各地の希少な野菜をいただけると人気の一軒です。店主・柚野克幸氏は「浪速割烹 喜川」で研鑽を積んだ実力派。「喜川」の伝統を踏まえた創意工夫によって編み出されるオリジナリティ溢れる料理は、「ミシュランガイド京都・大阪2020」で一つ星という高い評価を獲得しています。
美味しいものを存分に愉しんでほしいという、店主・柚野氏思いを結実させた数寄屋造りの店内は圧巻の一言。モダンな空間に据えられた一枚板のカウンター席は、洗練された大人に相応しい雰囲気を醸し出しています。
ワインとのマリアージュを存分に愉しめる心斎橋エリアの人気店
日本料理 翠(大阪・心斎橋)
心斎橋エリアに佇むミシュラン一つ星の名店「日本料理 翠」。店主の大屋友和氏は、「浪速割烹 喜川」で11年の研鑽を積んだ後、2011年にお店をオープン。選りすぐりの国産食材にこだわった料理はもちろん、個室を完備している点でも、多くのエグゼクティブから高い支持を獲得しています。
純和風スタイルの店内は、一歩足を踏み入れると木の温もりを感じることのできる落ち着いた雰囲気が魅力。日本酒やワインも豊富で、お気に入りの一皿とのマリアージュも堪能できます。お料理の味はもちろんのこと、店主・大屋氏による繊細な盛り付けに魅了されるファンも少なくありません。上質な調度品や設えに囲まれて贅沢な時間を過ごせる一軒です。
店主イチオシの「どなん和牛」をいただく会席コースが人気
おおさか料理 淺井 東迎(大阪・心斎橋)
「浪速割烹 喜川」の先代・上野修三氏の孫弟子に当たる「おおさか料理淺井東迎」の店主・東迎高清氏。様々なジャンルに精通する高い技術力を持つ店主のイチオシは、地元でもある沖縄県・与那国島産の「どなん和牛」を用いた会席コース。ゴボウのソースと一緒にいただく和牛は絶品で、コースの締めに登場する与那国島産の長命草で仕上げた茶そばと一緒にお楽しみいただけます。
1階のカウンターでは、料理人らの威勢のよい掛け声が響き、ライブ感たっぷりな空間も人気な理由の一つ。2階と3階には個室を完備するため、プライベートな時間を過ごしたいという時にも気兼ねなく使えるお店となっています。
大阪を代表する名店「浪速割烹 喜川」一門にフォーカスしてご紹介しました。大阪で「食べ歩き」を愉しむ際にはぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。