少し時間に余裕が出来た時、ランチタイムで名店の懐石料理をいただけたら嬉しくはありませんか。
お店を出た後もまだ明るい街を散歩したり、デザートに甘い物を食べに行ったりと、食後の選択肢も色々広がります。今回はランチに本格的な懐石料理をいただける、東京都内の名店を4軒、ご紹介いたします。
目 次
1.実直丁寧に、出汁の美味しさを再認識できる表参道の名店
日本料理 太月(東京都/表参道駅 徒歩5分)
お父様が営まれていたお店の屋号を受け継ぎ、店主の望月英雄氏が「日本料理 太月」をオープンしたのが2013年。今や日本国内はもとより、海外のお客様からも高い評価を得ている名店です。ランチタイムには全8品のショートコースもありますが、決してフルコースに引けを取らない内容。
どの料理も旬の食材そのものの持ち味を生かす、繊細な調理技術が光ります。奇をてらうような事のない丁寧な仕事を支えるのは、時間をかけて引かれた拘りの出汁。水出しとお湯出し2種類の昆布出汁と、血合い抜きの本枯節から削り出す鰹節から取る出汁を、料理に合わせて使い分けます。
春は牛ロースと共にいただく「花山椒のしゃぶしゃぶ」、冬は蟹や鯛など、旬の食材を心ゆくまで味わいましょう。九州から取り寄せた上質なボラ子を、独自の手法で半生に仕上げた唐墨もおすすめ。個室もあるので、お祝いや接待などにも安心して利用する事ができます。
2.調和に始まり調和に終わる、美しい懐石料理を味わう
懐石 辻留(東京都/赤坂見附駅 徒歩5分)
京都の地で1902年に創業、名店中の名店である「懐石 辻留」。初代・辻留次郎が京都で茶道裏千家の家元より茶懐石の手ほどきを受け、二代目が茶懐石の門戸を開こうと、東京に出店しました。
三代目の辻義一氏は、希代の芸術家でもあり美食家・料理家としても知られる北大路魯山人氏のもとで修業。その教えは、赤坂店料理長の藤本竜美氏にも受け継がれています。
“調和 ”を大切にする考えは、器の色や形、味付けだけに留まらず、茶懐石を基にしたコースの流れにも。訪れたゲストが心地よく過ごせるよう、料理を提供するタイミングまで計算された美食のひとときに、心が安らぐことでしょう。
店内に飾られた前田青邨や熊谷守一らの日本画・掛け軸がかけられた空間もまた、心地よい調和をもたらしてくれます。ゆとりある空気に包まれながら、120年余りにもわたって守り続けられている名門の味をいただくことができます。
3.銀座の路地裏に溶け込んだ、京町屋を思わせる風情の名店
銀座 よし澤(東京都/銀座一丁目駅 徒歩1分)
正統派懐石料理で幅広い層から支持を集めていた吉澤定久氏が、初めて店名に自らの名前を冠して出店したのが「銀座 よし澤」。華やかな銀座の街にありながら、入口にある坪庭を越えると、静けさが心地よい店内へ。まるで京都の町屋に迷い込んだような気分になります。
特に人気のメニューとして外せないのが「鰆の藁焼き」。
藁のしっかりとした香りが、鰆の皮をさらに香ばしく変化させます。口の中で身の脂の部分と皮の香りが合わさった瞬間、飲み込んでしまうのが惜しくなるような深い味わいに。
締めの土鍋ご飯では厳選した白米を4回に分けて提供し、味の変化を食べ比べ。まずは少し芯が残った状態のもの、続けて炊き立てで蒸らしていない白米から蒸らした白米へと、米の香りや甘さ、食感の変化を楽しめます。最後はカリカリのおこげご飯に醤油を少し。ご飯好きには堪らない喜びになることでしょう。
4.旬の京食材を味わい尽くす、こころ安らぐ和モダン空間
三友居(東京都/高輪台駅 徒歩10分)
「三友居」は京都で本格的な懐石料理が詰まった弁当を、ケータリングしてくれる事で根強い人気がある名店。その三友居の料理が高輪に行けばお店でも食べられる。これは関東在住の和食愛好家にとってはありがたいニュースだった事は記憶に新しいです。店内は華美過ぎず質素過ぎずの和モダンな設えで、清潔感漂う洗練された空間が広がります。
食材は京都・銀閣寺そばにある本店からの直送。京都本店と同様に、旬を大切にする料理がいただけます。
春にはもろこや筍、冬には体の芯まで温まる鯛かぶらや唐墨のお吸い物など、一皿一皿季節の移ろいを噛み締めながら懐石料理に舌鼓。
店名は中国の詩の一節が由来で「琴を奏で、酒を酌み交わして詩を吟じられるような、人生を豊かに楽しむ場所」という意味が。
厳選した料理に合う日本酒も揃っており、気の置けない友人と時間を忘れて過ごすのにうってつけです。
東京のいずれ劣らぬ懐石料理の名店をご紹介いたしましたが、どちらかに行かれた事があるという方も多いのではないでしょうか。
ディナーで行かれた事がないという方も、ランチであれば、気軽に訪れる事が出来るのではないかと思います。行きつけになるような、素敵な懐石料理店との出会いが皆様に訪れましたら幸いです。
※こちらの記事は2023年04月20日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。