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大阪・名店鮨屋に聞いた!絶対に味わいたい日本酒と握りネタ

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日本食の代表格でもある鮨。鮨をつまみながら日本酒を楽しむ時間は、至高のひとときとも言えます。
今回は昔から「食い倒れ」と称されるとおり、食の宝庫である大阪の名店鮨屋を取材!
お店によって異なるおすすめの日本酒と、それに合わせたい鮨ネタから食べ方まで詳しく伺いました。

1.鮓 きずな(大阪府/京橋駅)

かつて東海道五十七次の終点とされた京橋。「鮓 きずな」は、都心と郊外をつなぐ場所として栄えるこの街に佇みます。大将が全国各地に足を運び、食材や器を信頼できる人からのみ仕入れる。情熱が詰まった鮨と一緒に楽しめる日本酒について伺いました。

お話を伺った方:大将 近藤 剛史氏

-こだわりの日本酒

日高見 芳醇辛口純米吟醸 弥助/純米大吟醸 弥助(ひょうたんボトル)(宮城県/平孝酒造)

左:日高見 芳醇辛口純米吟醸 弥助/右:純米大吟醸 弥助(ひょうたんボトル)

「平孝酒造」平井社長が、江戸前寿司にはまったことがきっかけで生まれた「日高見」。なかでも「芳醇辛口純米吟醸 弥助」は白身の繊細な甘味に合わせ、純米吟醸と鮨の相性を考えながら作られたお酒。
「純米大吟醸 弥助(ひょうたんボトル)」は、震災の時に炊き出しに駆けつけてくれた鮨職人の親方たちにリスペクトを込めて作ったもの。つけ場で白衣を着て仕事をしている姿を、酒で具現化している。

―この日本酒を選んだ理由

このお酒は本当に万能なお酒です。人を選ばない。通常、純米吟醸だと、スッキリめが良かったり、香りが気になる人がいたり、好き嫌いがありますが、そういったことが「弥助」にはないですね。色んな人に合うお酒です。
「鮓 きずな」では、付き出しにまず押し寿司を出しています。その後スープ、刺身と続き、この時に大体の方が日本酒を頼まれるので、そしたら「芳醇辛口純米吟醸 弥助」の登場ですね。
ひょうたんボトルは一度飲んだお客様は絶対にまたこれと指定してくる。数も少ないお酒ですが用意するようにしています。

-この日本酒に合う握りやアテ

弥助はすごく万能なので、刺身はもちろん白身魚やタコブツ、イカにも合います。
なかでもこのお酒は特に白身に合わせて作られたお酒なので、白身がおススメです。赤身には繊細な酸味があって、白身には繊細な甘味があるのですが、その白身の甘味を引き出し、感じさせてくれるお酒です。
「鮓 きずな」では、白身を寝かせて魚の旨味を引き出しているので、甘味だけではなく魚の旨味も酒の旨味と一緒に味わってもらえればと思います。

2.鮨 美菜月(大阪府/北新地駅)

北新地にある鮨美菜月。鮨という枠の中で最大限幅を持たせた独創性を楽しめる鮨屋です。「料理のすべてを説明できなければいけない」と話す大将・﨑氏。偶然性のない美味しさを作ることにこだわり、生み出される握りの数々は必見です。

お話を伺った方:大将 﨑 貴之氏

仙禽一聲(栃木県/株式会社 せんきん)

酒蔵の地下水と同じ水脈上で作付けされたドメーヌ・さくら「山田錦」を麹米・掛米共に35%まで磨き上げた日本酒。口に含むと、エレガントな甘味とドライでクリアな力強い酸味が広がる。
▼詳細はこちら▼
http://senkin.co.jp/

―この日本酒を選んだ理由

「美菜月」ではこのお酒を食中酒の中心に持ってきています。
余韻がありながらキレがよく、お酒単体でも美味しいし、料理と組み合わせてもすごく合います。旨味が強すぎたり、香りが立ちすぎたりしているとお酒が勝ってしまって、食中酒には合わないのですが、「仙禽一聲」は、食事の邪魔にならず寄り添ってくれるようなイメージです。料理を受け止める幅も広いので色んな料理に合います。
日本酒を頼まれたときには最初にお出しして、お客様の反応を見ています。
その反応次第で、辛い方がいいか、甘い方がいいか、もっと旨味が強い方がいいか、香りがあるものがいいかなど、対応できるお酒を用意しています。

-この日本酒に合う握りやアテ

今回おススメするネタはコハダです。
お酒の味の中心に仙禽一聲をもってきているのと同じく、美菜月ではコハダを鮨の味の中心に持ってきています。なぜコハダを味の中心に持ってきているかというと、コハダは私が一番好きなネタであり、一番自信のあるネタだからです。
鮨は咀嚼すればするほど美味しさが増す料理。シャリと、コハダの締め加減、脂の乗り具合で喉が鳴るタイミングあるんです。そのタイミングでお酒を喉に流し込んで頂きたいです。

鮨 美菜月

JR線 北新地駅 102m

20,000円〜29,999円

3.鮨 おおが(大阪府/堺駅)

摂津国と和泉国の一之宮・宿院頓宮が設置される国境の街「堺」を象徴する宿院にある「鮨 おおが」。老舗鮨屋「弥助」の四代目・大賀伸一郎氏が自身の鮨を突き詰めて提供するために開かれた鮨屋です。

お話を伺った方:大将 大賀 伸一郎氏

-こだわりの日本酒

「大賀 純米吟醸 朝日米 オリジナルラベル」大賀酒造(福岡県/大賀酒造)

大賀酒造の純米シリーズ「大賀」の中でも一番辛口のお酒。コシヒカリやササニシキのルーツとも言われている岡山県産の「朝日米」を使って醸しており、飲み口は淡麗辛口でほのかな香り。料理の味を引き立てる味わいが特徴。

―この日本酒を選んだ理由

大賀酒造の蔵元と僕は、「しん」の漢字が一文字違うだけで同姓同名。蔵元が、自身のお酒を広めるためにFacebookで「大賀さん」を検索して片っ端から友達申請しており、その時にたまたま僕に繋がったことをきっかけに、オリジナルラベルを作りました。
「おおが」というお酒で使われている朝日米は、鮨米にもなるお米。サラッとした綺麗なお酒ができ、魚に合う食中酒が作れます。朝日米を60%まで磨いて作られた「おおが 純米吟醸」は素材の味を引き出すために、香りや味を邪魔しない辛口のお酒です。

-この日本酒に合う握りやアテ

「鮨 おおが」の売りはマグロです。鮪卸専門の「やま幸」が扱う天然本マグロを使っています。マグロの握りを4貫、手巻き(ネギトロ)1本、マグロの産地や部位を変えてお出しします。赤身、霜降り、大トロなど、キレのいい「大賀 純米吟醸 朝日米 オリジナルラベル」で、1貫ずつ味をリセットして違いを楽しんでみてください。

寿司

鮨 おおが

南海電鉄線 堺駅 徒歩10分

4.鮨 三心(大阪府/谷町六丁目駅)

大阪の谷町は空襲で焼けなかった町屋が今でも多く残る土地。「鮨 三心」も戦前から残る五軒長屋にあります。無駄を排したシンプルな店内に吉野の檜で作られた一枚板の精悍なカウンター。主役である鮨を輝かせるために作られた最高の舞台を目の前にしていただく、鮨と日本酒についてお話を伺いました。

お話を伺った方:大将 石渕 佳隆氏

-こだわりの日本酒

ESHIKOTO AWA 2018(福井県/黒龍酒造)

「ESHIKOTO AWA2018」はAWA酒というシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵をさせたスパークリング日本酒。黒龍酒造の旗艦店「石田屋」のみで販売しており、大阪では「鮨 三心」を含む3店舗でしか飲むことができない。
※「ESHIKOTO AWA2018」は既に完売しておりますのでご了承ください。
▼詳細はこちら▼
https://awasake.or.jp/

―この日本酒を選んだ理由

私のお店の屋号である「三心」は福井の永平寺を作った道元禅師が説いた言葉です。その永平寺に蔵を構える黒龍酒造。その八代目蔵元の水野社長の伝統を守りながらも革新的な酒造りに共感し、無理を言って酒蔵見学をお願いして以来、深いお付き合いをさせて頂いています。
今回選ばせて頂いた「ESHIKOTO AWA」は2020年にリリースされた黒龍酒造の新しいブランド「ESHIKOTO」の商品です。
日本酒のスパークリングってどうしても甘いイメージがあるのですが、初めて飲んだ時、鮨と相性がいいのではと感じたのを覚えています。なぜかというと、立ち上がる麹の甘い香りがあって、口に含むと心地よい旨味が広がるのに、後口がすごくドライ。
乾杯のドリンクとしてはもちろんなのですが、食中酒としても合わせてもらえるスパークリングとして、選ばせて頂きました。

-この日本酒に合う握りやアテ

実は私が一番自信をもって出しているネタが煮蛤なんです。三心といえば煮蛤と言っても過言ではないと思っています。
「ESHIKOTO AWA」のペアリング時にはまずお酒を一口飲んでもらいたいです。
その後、煮蛤の握りを口の中に運んでいただき、よく咀嚼してください。
「煮蛤」には素材由来の風味と仕事によって引き出した旨味があります。仕込んだ柚子の香りと共に、噛むほどに蛤の甘味、旨味が感じられると思います。
咀嚼している時に「ESHIKOTO AWA」の余韻も感じられるので、一緒に楽しんでもらいたいです。
そして、最後に鮨を食べた後、もう一口お酒を飲んでください。
五味でいえば日本酒には旨味も甘味も苦味も酸味もありますが、唯一塩味がありません。蛤の持つミネラル感がそれを補完してくれるのを感じられます。
お酒だけでも、鮨だけでも美味しいけれども、食材の持っている旨味や甘味を最大限に引き出す組み合わせです。

大阪の名鮨屋がおすすめする日本酒と、それに合わせた握りネタで、粋な時間を過ごしてみませんか?

Minaho Ito

一休.comの宿泊営業から編集部へ。子供を預けて、つかの間の贅沢をレストランで過ごすのが楽しみ。見た目が美しい料理が好きで、イノベーティブ料理やフレンチ・イタリアンがお気に入り。
自分へのご褒美にスイーツ店巡りをすることも多く、行きたいお店リストは常に更新中。

【MY CHOICE】
・最近行ったお店:ラペ (La paix)
・好きなお店:NARISAWA/Crear Bacchus/オテル・ドゥ・ミクニ/ガストロノミー ジョエル・ロブション
・得意料理:イノベーティブ料理/フレンチ/イタリアン
・好きな食材:赤身肉/チーズ

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