【名店グルメ】麻布十番「ラ・リューン」野菜にハーブ、食材の旬を楽しむフレンチ

麻布十番の落ち着いた一角にひっそりと構える瀟洒なフレンチレストラン「ラ・リューン」。少ない席数でこそ味わえる極上の寛ぎ感ゆえに、秘密にしておきたい都会の隠れ家レストランとしてもしばしば名前が挙がる、知る人ぞ知る実力店です。シェフのオリジナリティ溢れる料理からワインのセレクション、行き届いた接客が成せる居心地の良さまで、訪れた人が口々に賞賛する「ラ・リューン」の魅力をご紹介します。

心地よく緑に彩られ、通りに面しながらも都会のオアシスのような佇まいが印象的な外観。落ち着いた内装の店内には、丁寧なサービスが行き届く18席のみを設置し、限られた席数ならではのエクスクルーシブさと共に、気負わずリラックスして過ごせる雰囲気が満ちています。店名の「ラ・リューン(La Lune)」は、フランス語で「月」。これは“太陽(=ゲスト)”に照らされてこそ輝く“月(=店)”という意味合いを表しているそうです。

オーナーシェフの永田敬一郎氏は、1988年に故郷熊本のレストランにて料理人としてのキャリアをスタート。その後「高輪プリンスホテル」(現・グランドプリンスホテル高輪)や青山の「ラ・ブランシュ」、神泉の「エヴリーヌ」(現在は閉店)での勤務を経て、98年に渡仏。パリの1つ星レストラン「ステラ・マリス」(現在は閉店)を始め、プロヴァンス地方ゴルドの「ル・ボリー」や、サンレミー・ド・プロヴァンスの「ラ・メゾン・ド・ジョーヌ」、ヴィッシーの「ジャック・デコレ」(現在は移転)といった、数々の名店で研鑽を積みました。2000年に帰国し、「レストランオオイシ」(現在は閉店)のシェフに就任。その後、同レストランの閉店に伴い、跡地にて2002年に「ラ・リューン」をオープンし現在に至ります。

「ラ・リューン」の自慢は、なんといっても使用する食材の良さ。全国の契約農家から届く季節の新鮮な野菜やハーブをたっぷりと使用したフレンチは、女性はもちろん、男性客にも好評を博しています。また愛媛県今治の漁師からはマナガツオや真鯛といった、一流の鮨屋のネタにも引けを取らない質の良い魚介が届き、それらは熟成を待って使用。魅力ある食材を用い、経験豊かなシェフが作り上げるプリフィクスやおまかせのコースで、食材の持ち味をストレートに味わう皿や、組み合わせることで食感や香りの相乗効果を引き出す皿など、変幻自在の美味しさに出会えます。

シェフの食材使いの妙を垣間見られる一例が、同店の“赤い”コンソメ。これはビーツを投入することに起因する色ですが、色付けの目的以外にも、ビーツを使用することで甘みを加えることができるのだとか。さらに玉ねぎやハーブ類、牛挽肉に卵白、焦がしニンニクなどの他、4日間かけてじっくりととった仔牛と鶏の出汁を加えてさらに数時間煮込みます。一般のコンソメに比べて野菜も肉も多く使用することで、より濃く、よりリッチな仕上がりが叶うのだそうです。

野菜や魚介に特にこだわり、新鮮な旬の食材をたっぷりと使用した魅力あるフレンチがいただけるレストラン「ラ・リューン」。数々の名店で修行を重ねた熟練のシェフだからこその妙技で、個性や力強さに溢れた食材をより魅力的な料理に仕立て上げます。思わず長居したくなるような抜群の居心地を誇るこの街角の名店で、食材の良さが光る丁寧なフレンチに舌鼓を。家族や友人など、大切な人とテーブルを囲むひとときにもぴったりの一軒です。

フランス料理

ラ・リューン

都営大江戸線 麻布十番駅 麻布十番駅 6出口徒歩3分 6番出口を出た後左側直進、 エネオスGSを過ぎて左折、直進後右側

10,000円〜11,999円

※こちらの記事は2023年04月17日更新時点での情報になります。最新の情報は一休ガイドページをご確認ください。

Mika Muroi

旅と食べ歩きと文章を書くことが好きで、プレミアム・グルメメディア「KIWAMINO」のライターに。フレグランスラボでの勤務経験から、香りやフレーバーにこだわりが。選りすぐりのレストランを、スマートな日本語に乗せてお届けします。
【MY CHOICE】
・さいきん行ったお店:DAZZLE
・好きなお店:嘉禅
・自分の会食で使うなら:麻布淺井
・得意ジャンル:イタリアン、ビストロ
・好きな食材:野菜全般、鴨、チーズ

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