食レポ|

「RESTAURANT T3」グルメレポ。唯一無二の”食体験”に誘う革新的な料理を堪能

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2019年9月1日で1周年を迎えた、イノベーティブ界の新店「T3」。今回の取材で初訪問させていただきました。まるで芸術品のような美しいお料理と、わくわくするプレゼンテーション。そしてノンアルコールのペアリングへのこだわりも素晴らしく、とても印象的でしたので、お料理だけではなくドリンクにも焦点を当ててご紹介していきます。

場所は、飯倉片町の交差点から程近いビルの1階。テーブル席5つ20席、カウンター席4席に加え、バーカウンター4席の小ぢんまりとした隠れ家です。

キッチンがよく見えるカウンターに案内されると、そこには店名の「T3」についての解説と本日のメニューの紹介が。

3つのTは、「Temperature(温度)」「Time(時間)」「Travel(食体験の旅)」の頭文字をとったもの。
メニューの紹介ページには、シェフの手書きイラストと共に温度と時間の記載。
最後のページには国や地域の名前。どこをイメージして作った料理なのかが記されています。

まずは、乾杯のシャンパンに見立てたノンアルコールドリンク。コンブチャ・ジャスミン茶・炭酸水でできています。
コンブチャに含まれるイースト菌の香りが、シャンパンにそっくり。よくあるノンアルコールシャンパンは甘く、1杯目から甘い飲み物は嫌だなぁ……と思いお茶を頼むことが多いので、こちらのすっきりとしたシャンパン風ドリンクに感動しました。

南房総伊勢海老コンソメスープ。
食材の良いところだけを出せるように温度と時間を、調理計算し尽くしているそうで、これ以上長くても短くても良くないとのこと。

旨味のみギュッと濃縮されていて、甲殻類のえぐみや雑味を一切感じさせません。

スープを飲んでいる間に、食材のプレゼンテーションが始まります。有田焼の立派な器に盛られた豪華な食材たちがずらり。期待が高まります。

2杯目は絞ったりんご、加賀ほうじ茶のティーカクテル。

甘海老の田園風。
ウニのサヴァイヨン、キュウリとラディッシュのサラダ、オマール海老のコンソメジュレ。
薄いチップ状のものは、なんと帆立貝。これは赤とんぼの羽をイメージし、右上には夕日をイメージしたチュイルを組み合わせるという絵画のような美しい仕上がりのお皿です。魚介の旨味が複雑に絡み合い、美味。小さなキューブ状のサラダの食感も良いです。

古木を用いた中国茶。
茶器にもこだわりが垣間見えます。食事だけでなく、飲み物も目の前で作り上げていくところを見られて楽しいです。

秋刀魚とフォアグラの春巻き。
ひと口目はそのまま、あとはブータン産の松茸ソースを絡めていただきます。個々の素材の旨味が混ざり合い、頭のてっぺんまで響く美味しさに……!
この器は明治時代に作られたもので、「Time」を意識して歴史を織り交ぜていきたいという考えがあるとのこと。

残った松茸ソースは、ポップオーバーと合わせて余すことなく完食。ポップオーバーとしては珍しく上質な和牛の脂を使用していてコクがあり、もっちもち。

次のドリンクは、ブルーマロウというハーブティの氷とレモンのノンアルコールカクテル。ハーブを強く感じる、大人向けのレモンスカッシュのよう。

ミョウガのソルベ。
お口のリフレッシュに。凍らせた梨が使われており、独特の舌触りを感じます。

数種類のハーブを合わせ、ブルーベリーとレモンを加えたオリジナルコールドハーブティー。

鮭といくらのミキュイ。
鮭の皮目にはバーベキュースパイスが塗られ、クリスピーな食感と風味のアクセントになっています。焼き茄子と茄子のピューレは、違う品種を使うこだわりよう。

こちらは、メインに合わせるピノノワールをイメージした飲み物を作っている様子。ピンクペッパー・黒胡椒・ジュニパーベリー・ラズベリーをごりごりと潰していきます。ベースにモナコのお茶を淹れて、乾燥ポルチーニ茸を加えた後にベリー類を入れ、漉して冷やせば完成です。たった1杯のドリンクを作るのに、この手間の掛け方は素晴らしい。

ベリーのさっぱりした甘みと酸味の後に、胡椒のキリッとした辛さがある、お肉の良さを最大限に引き出すドリンクです。

信州の和牛 ごぼうとトリュフのエスプーマ。
左側がBBQ風に表面をしっかりと火入れされたお肉。添えられているのは、ごぼうとベーコンのフライに24ヶ月熟成したパルメザンチーズのガレット。右奥にトリュフオイルでコンフィした卵黄・ごぼう・トリュフのエスプーマソース。真ん中には刻みごぼうのソテー。
お肉やごぼうフライは、そのまま食べても、エスプーマを添えてさらにごぼうの旨味を増幅させても美味しい。お肉とごぼうのWメインといった印象です。チーズやトリュフの香りも絶妙な塩梅。

余ったエスプーマソースに炊きたてのご飯を混ぜ合わせると、あっという間にリゾットの完成。

次は、いよいよ締めのお料理。その前に、一滴のみの八女玉露で脂をすっきりとリフレッシュさせます。低温で渋味を出さずに淹れられています。

ハワイアンオックステールスープ。

牛テール・針生姜・もやし・ショートパスタを使った締めのご飯もの。牛テールのガツンとした旨味に、生姜やパクチーなどの薬味がよく合います。とても美味しい!パスタや薬味を食べ終わった後、テールスープはあるだけお代わりするほどのお気に入り。

デザートに合わせるのは、2煎目の八女玉露にかぼすを加えたドリンク。

「メロ吉」
デザート1品目は、「メロ吉」という「T3」のマスコット的存在のスイーツ。シェフが2時間半かけてカービングされているのだそう。

「メロ吉」の中は自家製のメロンソーダで満たされており、ミントジュレップのグラニテの入ったグラスに注ぐことでデザートが完成します。

デザートに合わせるのは、カベルネソーヴィニョンをイメージした20年もののプーアル茶・シナモン・ナツメグ・クローブ・炙りししとうに、山ぶどうの原液を加えたドリンク。

和牛のフィナンシェとほおずきのデザート。
上質な牛脂と和牛ショートリブを練り込んだ、ジューシーなフィナンシェ。デザートより、おつまみのように感じました。

お皿の右側に載っているのは、ほおずきの実をマリネにしたもの。左側のほおずきの花弁の中には、まるで本物の実のような球体が!こちらは、ホワイトチョコレートとブルーチーズでできています。ちゃんと軸も刺さっているし、自然なグラデーションになっていて、芸が細かいことこの上なし。凄いです。

そして、最後のデザートに合わせるのは、ラベンダーとエルダーフラワーのドリンク。
「メロ吉くん」にも負けないくらいインパクト抜群の、西瓜でできたデザート。夏の終わりの西瓜と、秋の始まりのデラウェアが同時に味わえる贅沢。

お皿に盛られたデラウェアは、まるで台座のよう。ホワイトチョコレートでコーティングされた西瓜のソルベは、クローブの香りがしてすっきりとした後味。

最後は、抹茶を点てていただきコース終了。

有田焼の器やお茶で日本の要素を取り入れながら、ジャンルを問わず世界の料理を味わうことができる稀有な体験でした。

こんなに手間暇がかかっているのにコスパも素晴らしく、なぜもっと周りで話題になっていないのか不思議なくらい。私はノンアルコールペアリングでしたが、ワインの品揃えも素晴らしいとお聞きしているので、ワイン好きの方にもおすすめしたいお店です。

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イノベーティブ

Restaurant T3

東京メトロ南北線 六本木一丁目駅 徒歩5分

アクセス
住所 東京都港区麻布台3-4-11麻布エスビル1F

瀧口 杏耶

焼肉屋を経営する両親の影響で、幼少時から美味しいものに目がない若き美食ライター。肉質や火入れはもちろん、個々の素材や出汁を感じ取る「絶対食感」の持ち主。趣味はパフェやスイーツの食べ歩きで、最近はお寿司を勉強中。 普段は読者モデルやインフルエンサーとして活動中。

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