食レポ|

美食の王様が手掛ける人気レストラン「ボニュ」の魅力を実食レポート

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新宿にほど近い都心でありながら、緑が多いエリアである参宮橋。閑静な住宅街に、美食マニアなら知らない人はいないと言われる有名店が隠れています。参宮橋と聞いてピンときた方もいるのではないでしょうか?今回は美食の王様として有名な、来栖けいさんが手掛けるレストラン「Bon.nu(ボニュ)」をご紹介します。

こちらが外観。

こちらは内観。店内は来栖さんのイメージをもとにデザインされたそう。調度品は乳白色のトーンでクラシックに統一されています。暖かみのある照明です。

季節により内容が変わるコースもありますが、今回載せるのはボニュらしさが伝わるスペシャリテが詰まったコースです。(この日はランチで伺っていますが、昼夜でメニューに変化はありません。)

1皿目「自然 ~太陽・空・土・草~」

季節により変わるの野菜とハーブを使ったサラダです。こちらでは器も含めてひと皿のイメージを完成させています。器の青色は「空」でフチ部分の茶色は「土」。下に敷いてあるのは「太陽」をイメージしたトマトベースのソース。サラダの「草」と合わせて自然を表現しています。

パンとビーフジャーキー。

小麦と水と塩で作ったシンプルな石窯焼きの食パンはカリッと香ばしく、中はフワフワです。ビーフジャーキーは年間1頭しか出荷されない「竹の谷蔓牛」を、シャンパンに漬け込んで作ったもの。しっとりしていて噛めば噛むほど旨味を感じられます。バターはエシレ地方近くで作られる「パンプリー」というメーカーのものだそうです。ミルキーで香りが良く、口溶けはさっぱりとしています。

2皿目「抽出 ~オマールエビ~」

生きたままのオマールブルーを見せていただき、たった5分後に香り豊かなビスクになって登場します。なんという早業……。

殻ごと全て粉砕した上で、素材の持ついちばん良い部分だけを抽出していると仰っていた通り、えぐみや雑味を全く感じません。

3皿目「シンプル ~キノコ~」

しめじ・舞茸・エリンギの3種のキノコと塩、オリーブオイル、水、米だけを使ったシンプルなリゾットです。沸き立つような香りが素晴らしい一品です。味付けとして出汁を取るキノコと、リゾットの具として使うキノコを分けることでこの香り立ちが完成するそう。

4皿目「トマト畑 ~トマト~」

太めの麺にたっぷりのトマトソース。ゴロゴロとトマトの塊をかき分けると、中から緑色のソースが!香りを出すためにヘタまでソースに使われているので、トマトの持つ甘味・酸味・苦味を余すことなく味わえます。

5皿目「抽出麺 ~イワシ~」

初めて来た時にいちばん衝撃を受けたお皿はこちらでした。見た目はとてもシンプルで、澄んだスープにカッペリーニ。見ただけでは味の想像はつきません。ひと口食べるとそれはもう、旬の鰯の旨味が凝縮されていて衝撃的な美味しさ。シンプルな見た目に反してパンチの効いた逸品です。

6皿目「ボニュ焼き ~天然記念物・見島未経産牛(サーロイン)~

メインのお肉料理は、見島未経産牛8歳と経産牛20歳の食べ比べ。
6時間かけてじっくり火入れされたお肉は、外側がカリカリのクリスピー状。内側は綺麗な赤色ですが、火はしっかり通っています。ナイフで切った時には肉汁が零れ落ちず、口に運んで噛んだ時に初めて肉汁が溢れ出す絶妙な加減。部位はいずれもサーロインですが赤身の肉の味が濃く、パサつきや脂っこさとは無縁。

7皿目「ボニュ焼き ~天然記念物・見島経産牛(サーロイン)~」

まず若い牛から頂きましたが、この独特の火入れと肉の味の濃さに衝撃を受け120gをあっという間に食べ終えてしまいます。次に出てくる年齢を重ねた牛は、同じ部位かつ同じ焼き方なのにより深みのある味わい。前者をジューシーとするなら、後者は滋味深いといったところでしょうか。

ステーキと一言でいっても炉釜や鉄板焼きなどスタイルが色々ある中で、私はボニュのステーキが1番好きです。ここまで美味しい食べ方ができるところは他に知りません。天然記念物指定の牛を食べられることや、6時間かける火入れも勿論凄いことなのですが、何よりそれらに辿り着くまでの試行錯誤の過程と、並々ならぬこだわりが素晴らしいお店だと思います。

8皿目「ボニュ ~ミルク~」

店名を冠したデザート。ミルクとグラニュー糖だけで作られている、非常に滑らかなアイスクリームです。

店名の由来は人間が初めて口にするもの、つまり原点でもありシンプルで奥深いもの「母乳」。その大切さを忘れないためにという思いが込められています。

9皿目「ナチュラル ~神果卵~」

四万十の神果卵・ミルク・グラニュー糖のみで作られたプリン。卵とミルクを混ぜ合わせたイメージの器に盛り付けられています。滑らかで卵の味がよく分かるシンプルなプリンです。
一般的なプリン作りでは卵白は捨てられてしまいがちですが、全卵で作られています。もともと黄身と白身で1つのもののバランスを崩さずに、自然のまま作られているからこそのタイトルなんでしょうね。

食後「水チョコと珈琲」

ショコラと水のみで仕上げたチョコレート。見た目や口溶けは生チョコのようですが、お味はチョコレートではなくカカオ!甘さは控えめでカカオの香りと酸味・苦味が口いっぱいに広がります。スガハラガラスに注がれたドリップコーヒーは、少し酸味のあるフルーティーなタイプ。どちらも食後にぴったりです。

すべてにおいて完成形はシンプルですが、過程は複雑で手が込んでいます。食材へのこだわり、調理法へのこだわり、器を含む魅せ方へのこだわり。どれを取っても天下一品で、尊敬してしまうほどの職人技。ひとつひとつ細かな説明をしてくださるので情報量が多く、うっかり他に考え事でもしようものなら来栖ワールドから置いていかれるような気さえしてしまいます。笑

その代わり、感性を研ぎ澄まして臨めば他では決して味わうことのない食体験ができ、料理への見方が変わります。足し算でつくる美味しいものではなく、ひとつひとつの食材の良さを極限まで引き出した究極にシンプルでオリジナリティ溢れる料理たち。

多くの食通が最後に辿り着くと言われている「ボニュ」の料理で感動体験、してみませんか?

フランス料理

Bon.nu(ボニュ)

JR線 代々木駅 徒歩10分

20,000円〜

アクセス
住所 東京都渋谷区代々木4-22-17 クイーンズ代々木 1F

瀧口 杏耶

焼肉屋を経営する両親の影響で、幼少時から美味しいものに目がない若き美食ライター。肉質や火入れはもちろん、個々の素材や出汁を感じ取る「絶対食感」の持ち主。趣味はパフェやスイーツの食べ歩きで、最近はお寿司を勉強中。 普段は読者モデルやインフルエンサーとして活動中。

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